速くなくてもいい
速く動こうとしてしまって単調な動きになったり、止まれずにつっこんでしまったりする人をたまに見かけます。どんなにスピードがあっても、動きが単調だったり止まれなかったりする選手は守るのが楽です。そういう選手はチームディフェンスがうまく機能していればだいたい自滅してくれます。
速く動いて止まれなくなるくらいなら、止まれるスピードで動いていたほうがよほどいいプレーができます。「速く動かないとディフェンスを振りきれないじゃないか」と思うかもしれないですが、ディフェンスを振り切るために必要なのはスピードではなく「緩急」ですから、スピードが遅くても振り切ることはできるんです。もちろんスピードがあったほうが断然有利ですけどね。
別に速く動こうとしなくてもいいんです。特に初心者の人なんかは周りの選手のスピードに合わせようとして、一生懸命走りすぎてしまいますが、頑張ってスピードを出そうと体に力を入れて動いてみたところで、実際はスピードはそれほど速くなっていません。速くなるどころか止まれなかったり、ムダに力が入っている分すぐに疲れたりして、デメリットのほうが大きくなってしまいます。
現にそういう選手に「もっと体の力を抜いて走ってみな」と話すと、それほど減速せずに走ることができます。最高速度に比べればスピードは若干遅くなるかもしれないですが、止まれないほどのスピードで動くよりも、そのくらいに抑えて走るほうが結果的にいいパフォーマンスができます。全力疾走する必要はありません。大事なのは「急に止まれる」ことと、そのあと「すぐ動く」ことです。止まったり動いたりといったことを、無理なくできるスピードで動きましょう。そのくらい余裕を持っても大丈夫です。
もちろん遅くてもいいということではなく、動きは速いほうがいいに決まっているし、速くなければいけないとも思います。でも、速く動こうとして余裕がなくなり、周りが見えなくなったり正しい判断ができなくなったりするのはNGです。余裕を持って動きながら、かつプレーは激しく。最終的にはそういう感じでプレーすることを目標にして、余裕を忘れずに動く練習してもらいたいなと思います。
トレーニングレポート
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